IT×業務効率化

“リファラル営業”で営業パーソンが活躍する世界へ『Saleshub』

株式会社Saleshub 代表取締役 江田氏

世界でも類を見ない「リファラル営業」を展開するサービス『Saleshub』。

企業を応援したいサポーターのつながりを活用し、テレアポや飛び込み営業が要らなくなる未来を目指す株式会社Saleshub。同社代表取締役社長 江田学氏が語る、リファラル営業の可能性とは。

”リファラル営業”という新しいビジネスモデルを展開するSaleshub

Saleshubは、2017年6月にローンチされたリファラル営業プラットフォーム。

商談先を紹介してほしい企業側が、Saleshubのプラットフォームに募集を掲載。その企業の商談先候補となる企業とつながりを持つ個人がサポーターとなり、両者のマッチングを行うサービスです。

現在はサービスへの登録企業が約700社、サポーターの登録数は3,000人以上に上るそう。登録企業はfreeeやWantedlyなどのITスタートアップから、築地の仲卸として鮮魚を販売する企業までさまざま。

企業の募集を見て「この事業なら共感できるな」「この企業になら自分の知り合いを紹介できそうだな」と思ったユーザーは、サポーター応募を行い、その企業と面談。面談終了後、サポーターとしてその企業が求めている企業を紹介していきます。

マッチングによるお祝い金には、アポイントメントと成約の2種類があり、そのどちらかが発生した場合に企業からサポーターにお金が支払われます。アポイントメントの場合は一回あたり数千円から数万円という金額設定が多く、成約の場合は「成約した案件の年間売上の2パーセント」など売り上げ金額に応じた金額設定のものが多いそう。設定の仕方は企業によってさまざまとのこと。

アポイントメントや成約の件数は非公開ですが、江田氏によると「月次の決済金額は170%程度の伸びで成長している」といいます。

「テレアポや飛び込み営業をなくしたい」原体験がサービスに

江田氏はどのようにしてSaleshubのアイデアにたどり着いたのでしょうか。江田氏は元々、遊びやレジャーのスポットに関するクチコミサービスを運営していました。しかし、事業が思うように成長せずに方針転換を決意。自身の原体験に立ち返り、解決したい課題が見えてきたことがSaleshubアイデアの原点だったと言います。

江田「起業家は自分が社会の負だと感じている課題にアプローチするべき、とよく言われますよね。自分にとっての負は何かと考えた時、それは、前職の営業時代にやっていた『テレアポや飛び込み営業』でした。これだけテクノロジーが発達したにも関わらず、未だに多くの企業が、やる方もやられる方も辛いテレアポや飛び込み営業を行っている。
この非効率かつ精神的負担も大きい、営業手法を新たなものに変えていくことができればたくさんの人に喜んでいただけるのではないかと考えました。」

営業を効率的に行うためのアプローチを考えていく中で、江田氏は個人のつながりを活かす「リファラル営業」に注目します。

江田「前職で営業をしていた時に、飛び込み営業先よりも知り合いから紹介してもらった企業のほうが長期的な関係を築けていたんです。また、市場環境を見てみると、誰もがスマートフォンを持っていることや、SNSの普及で交友関係や自身のつながりが可視化されていること、これらを鑑みたとき、リファラル営業のアプローチが実現可能ではないかと思うようになっていきました」

実際に海外のある研究では、テレアポや飛び込み営業よりも「紹介」のほうが成約率が4倍以上高くなるという結果が出ているといいます。また、企業の採用や営業に変化が起きている一方で、ユーザー側にも大きな変化が起こり始めていました。日本企業の多くが社員の副業を解禁し、政府も「働き方改革」の一環として副業や兼業を推進しようとしていたことです。

副業ができるという環境になったとしても、スキルがなければ実践するのは容易ではありません。デザインやエンジニアリングといったスキルがある人は活躍できても、労働人口の多くを占める”営業職”には副業の活躍の機会を見つけることが難しい。江田さんはそんな現状を変えたいという想いをSaleshubに込めました。

江田「日本に営業パーソンは数百万人いるにも関わらず、そのスキルを企業外で活かす機会がないという課題を感じていました。そこで営業パーソンの持つ、企業や人のつながりを副業として活かすことができるサービスを立ち上げようと思ったんです」

まずは日本にいる数百万人の営業パーソンにサービスを利用してもらいたいと語りつつも、将来的には営業以外の職種の方にも積極的にサービスを活用してもらえるように計画しているそうです。

Saleshubを活用し、ファンの熱量をサービス成長に活かす

Saleshubのプラットフォームは実際にどのように活用されているのでしょうか。約700社ある登録企業の中でも有効活用いただいているのは、例えばフードロスの解消に取り組む『Reduce GO』や働くパパママ向けにサービスを展開する『リアルミー』などがあります。

Reduce GOは飲食店の余剰食品を削減するためのプラットフォーム。近くの飲食店で、残ってしまいそうな料理を手軽な価格で注文し、フードロスの削減に取り組むことができます。2018年春のローンチに向けて、加盟してくれる飲食店を募集していました。

江田「Reduce GOでは自社のサービスサイトにもSaleshubへのリンクを貼り、『飲食店オーナー様のお知り合いはいませんか?』という文言でサポーターを募集しています。知り合いの飲食店をReduce GOの運営に紹介することで、自身もその飲食店の余剰食品の削減に貢献できるし、サービスに加盟してもらえれば自分もサービスを通じてその飲食店を利用できる上、お祝い金をもらうことができる。サービスを応援したいというファンの想いを活用した事例だと思います」

対してリアルミーは、ベビーシッターサービスの検索・比較ができる『ベビミル』や、正社員で働くパパママ専門の転職エージェント『リアルミーキャリア』などのサービスを運営しています。同社では、どのようにSaleshubを活用しているのでしょうか。

江田「リアルミーはSaleshubで『時短勤務をしたいワーキングマザーを採用したい企業を紹介してほしい』と募集をかけていました。するとさまざまな企業が次々と紹介され、最終的には自社での営業がほぼゼロになり、いまでは営業手法をSaleshubにしぼっているそうです」

リアルミーの場合はリアルでのSaleshubのサポーター集めにも積極的とのこと。ビジネスマッチングサービスyentaで出会った方にもSaleshubで募集を出していることを伝えることで、サポーターになってもらっているそうです。

自社サービスを活用した”リファラル営業”やイベント開催が、成長に貢献

サービスのユニークな使い方も登場し、登録企業やサポーターも増えているSaleshubは、どのように成長曲線を描こうとしているのか。一般的なマーケティングはせずに、様々な工夫を凝らしながらユーザー増加に取り組んでいます。そのひとつに、自社サービスの活用があります。

江田「Saleshubのプラットフォームに『Saleshubを使ってくれそうな企業を紹介してほしい』という募集を出しています。この募集経由で数十社の企業と出会うことができました。自分たちで身をもってリファラル営業の効力を証明しているところです。」

最近では、『Saleshub Business Day』というリアルイベントを定期的に開催。一度に多くの企業やサポーターが集うため、企業側は一人ひとりに時間を割いての面談をする必要がなく、ユーザー側も気になっている複数の企業と一括で話をすることができるそう。実際、多くの企業やユーザーが参加する人気イベントになっています。

江田「従来の展示会と異なるのは、その会場にいる人以外も顧客になり得ること。会場にいる方にサポーターになってもらえれば、その方のつながりからさまざまな企業や人を紹介してもらうことができ、より効率的な営業が可能になるんです」

世界でも類を見ないビジネスモデルを構築し、ギグエコノミー時代に営業パーソンが副業できる社会を目指すSaleshub。リファラル営業の考え方が社会に浸透していくのかどうか、注目です。

プロフィール

江田学
株式会社Saleshub 代表取締役
企業と個人をつなぐリファラル営業プラットフォーム「Saleshub」を運営。営業の効率化と営業マン・ビジネスマンの方が気軽に副業ができる世の中を目指している。昨年にはインキュベイトファンドからの8,000万円の資金調達を完了。2/21(水)には上場企業やスタートアップ企業を集めたマッチングイベント『Saleshub Business Day』を開催。

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