IT×業務効率化

訪問しない営業を当たり前に。インサイドセールス『bellFace』

ベルフェイス株式会社 取締役 セールス事業部長 西山直樹氏

電話やメールでアポを取り、日程を調整し、直接対面して行うのが当たり前の“営業活動”。そんな営業をすべてリモートで行うインサイドセールスという考え方があります。
そのインサイドセールスの中でも、効果が低下しがちな電話営業ではなく、オンラインを通し対面と変わらない営業効率を発揮するツールが『bellFace』です。同サービスはオンラインでありながら営業資料を提示したり、Webカメラで顔を見ながらの営業が可能。しかも、ツールのインストールなど不要で営業できるため、営業先に負荷を与えることもありません。
実際bellFaceはリクルートや楽天をはじめ多くの大手企業が導入しており、2018年2月時点で導入企業600社以上にものぼるそう。今回はそんなbellFaceを展開する、ベルフェイス株式会社 取締役 セールス事業部長・西山直樹氏に、インサイドセールスの今と今後についてお話を伺いました。

オフラインでは実現できない、インサイドセールスならではの営業活動

はじめに、西山氏からインサイドセールスツール『bellFace』の特徴を伺います。

西山「bellFaceはインサイドセールスシステムという名前の通り、『営業マンが使うことに特化をしたWeb会議システム』です。事前のセットアップやソフトのインストール不要で、お客様側にインターネットがつながったパソコンやスマホ・タブレットさえあれば、日本中どこにいても5秒で対面営業ができるツールです」
本来であれば営業パーソンが足を使い直接出向いて営業を行っていたものを、ツールを活用し、オンラインで実現するbellFace。同サービスには、単にWeb会議ができるというだけでは無く、営業に特化したさまざまな機能が搭載されているそう。

西山「事前にbellFaceの管理画面に資料をアップロードしておけば、画面共有のように相手に資料を見せながらプレゼンすることも可能です。資料の切り替えも容易で、契約の話になれば契約書に切り替えるといったこともできます」

実際に西山氏はbellFace上に100個以上のファイルをアップロード。必要に応じ使い分けているそう。そうすることでオンラインツールならではの効率的な営業ができると西山氏は考えます。

西山「訪問営業の場合、100個もの資料持ち歩くわけにはいきません。もちろん1つの商談で100個の資料を使うことはまずありませんが、顧客のニーズに合わせて「あ、今あの資料があれば、、」という場面はよくあるかと思います。その時に例えば『いったん持ち帰り、追って資料お送りします』という話になったり、その場で『契約します』といわれたけれど申込書を持っておらず、後日再訪になったり。そういった手間やリードタイムを、bellFaceが短縮するというわけです」

わずか2年弱でリクルート、楽天といった大手企業が次々と導入

営業における移動コストを削減し、リードタイムも減らすbellFaceがスタートしたのは2015年10月。きっかけは、同社代表が取り組んでいた別事業で感じていた課題を解決するためでした。

西山「当社代表の中島は、『社長.tv』というサービスを提供する会社の創業者です。そこの事業の中で、福岡の社長、大阪の社長と地域ごとにサービスを展開していこうとしていたのですが、商談で各地を飛び回ると掲載料に対し移動費が膨大にかかってしまい採算が合わない。一方電話に切り替えると、訪問に比べる受注率が下がってしまう。そこで、現地には行かずとも訪問と同じ環境を作り出せないかと考えはじめたのがきっかけでした」

日本中さまざまな企業へ営業をするとなると、パソコンのセットアップが必要なツールを使うというわけにもいきません。事実Skypeで試したこともありましたが、嫌がられたといいます。他方で国土が広くインサイドセールスが一般化している米国の事例を調査するも、日本とは商習慣が異なり、参考にしづらい。故にbellFaceというツールを自ら開発する道を選ぶことになりました。
ただインサイドセールスが一般的ではない日本では、その有用性を理解してもらうには苦労があるのではと推測されます。事実、西山氏自身も「最初は苦労するのではと思いました」と言いますが、その初速は意外なものでした。

西山「意外にも初期の頃から注目頂きました、大きな契機となったのがはじめに発注頂いたリクルートさんの存在です。同社は『営業の生産性や効率を上げていく』ことに意欲ある企業。そこに、行かずに営業する手段としてのインサイドセールスツールの価値を感じて頂きやすく、受け入れられやすかったのだと思います」
リクルートの導入をきっかけに、bellFace側もサポート体制を構築。他企業に営業を積極的にかけ「広げる」のではなく、サービスが価値を発揮できるよう手厚くサポートして「広がっていく」取り組みに注力しました。

西山「ちょうど我々のツールを導入したタイミングはリクルートさんが電話だけで営業を始めたタイミングでした。しかし電話だけでは、やはり訪問に比べると少し成約率が下がってしまう。そこに、bellFaceを導入し手厚くサポートを繰り返したところ、受注率や売り上げがぐんと上がったのです」
そこから、リクルート社内でも複数のサービスへの導入が決定。この実績を見た楽天や、PERSOLグループ、パソナなど近しい業界への展開も次々と決まっていったといいます。大企業へ次々と展開していく中で、社内体制も構築。

西山「サポートチームを拡張し、『カスタマーサクセスチーム』を構築しました。ここでは、お客様の事業が成功するためにはどうすればいいかを日々考え、サポートを繰り返しています」

最大のライバルは商慣習にあり

大企業をはじめ、次々と導入が進むbellFaceですが、海外と比較すると日本の場合、やはり「対面ではない営業には違和感がある」という人も少なくないといいます。西山氏は、対面ではないことに対する違和感こそが挑み続けていかなければいけない壁になると考えます。

西山「我々にとっては商慣習が一番のライバルであり、障壁と言ってもいいでしょう。中でもいまの日本を作った50-60代の人からすれば、『対面でやってあたりまえ』ですから、『俺たちはさんざん足を使ってきたんだぞ。来ないとはなにごとだ!』というような人が、少なからずいらっしゃる。ただ、アメリカのように行かないのが当たり前の世界だと、当社にとってはビジネスチャンスが無いわけですから、むしろ日本は大きな可能性を秘めていると思っています」

この商慣習を変えるため、bellFaceは戦略的に営業を進めているといいます。入口としてまず使い始めてもらっているのは、IT系のプロダクトに興味を持ち、比較的リテラシーの高い業界で働くIT系企業の営業パーソンです。

西山「大切なのは、使いこなしてくれる人がだれかという『ターゲティング』を間違えないことです。IT系の企業ではおもしろいように導入が進みましたし、利用率を見ても際立って高かったんです。彼らが率先して使うことで、その先にいるお客さんも同じように体感してくれる。すると『リクルートや楽天が当たり前に使っているし、こういう世の中になっていくんだな』という考えが、徐々に広がっていく。そうすることで行かない営業が文化になると僕らは信じています」

セールスビッグデータを活用したビジネスへ

リリースからのここ2年ほどで、インサイドセールスという言葉に対する認知度も徐々に変わってきているという西山氏。
同社が見据える今後を伺うと、大きく2つの観点で語ってくれました。1つ目はプロダクトとしての今後です。

西山「bellFaceはいまも日々アップデートを続けていますが、まだまだやらなければいけないことが数多く存在します。さまざま機能が一つひとつ実装され、日本の営業シーンにおける必要な機能を現場視点に立って1つひとつ加えていく。状況は日々変わっていきますから、まだまだやれることはあると思っています」
2つ目は、bellFaceというプロダクトを起点に、企業として提供できる価値を教えてくれました。

西山「我々は企業として、bellFaceを入口に、セールスビッグデータをもつ唯一無二の会社になれるのではないかと思っています。現状1万人ほどのユーザーを抱えていますが、そこでは日本の先進的な企業に属するトップセールスマンたちが日々商談を行っている。すると数多くの商談データが蓄積され、売れている営業マンの営業方法がデータとしてアーカイブされていく。それは営業マンの育成にも使えますし、ナレッジのアーカイブも可能でしょう。そういう観点での横展開も考え得ると思います」

プロフィール
西山直樹
ベルフェイス株式会社 取締役 セールス事業部長
1983年生 神奈川県横浜市出身。 2007年に明治大学を卒業後、新卒にて当時営業支援会社として唯一上場を果たした(株)セレブリックスに入社。大手IT企業のインサイドセールス部隊構築支援を中心に、延べ80プロジェクトの新規セールス部隊立上げに参画。 200名を超える営業マンの採用やマネジメントに従事。2015年同社を退職し、当社執行役員を経て、2017年10月に当社取締役に就任。

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