IT×業務効率化

日本発世界へ。飲食店の予約管理を支える『TableSolution』

株式会社VESPER 代表取締役 谷口氏

予約管理・顧客管理をはじめ、特許取得の電話自動応答機能、オンラインでのクレジットカード決済機能などを備えたレストラン・飲食店向けの予約管理システム『TableSolution』。飲食店の予約管理業務を効率化する同サービスは、国内の有名店や高級ホテルをはじめ海外へも導入先を拡大。多忙な店舗オペレーションを支えています。

今回は、TableSolutionを運営する株式会社VESPER 代表取締役 谷口優氏にインタビューを実施。TableSolutionが生まれたきっかけや現在の利用事例、今後の展望について、お伺いしました。

飲食店の「あったらいいな」を揃えたシステム

TableSolutionの特徴は、多言語対応のネット予約や、電話予約の自動応答を活用することにより、人手をかけずに24時間365日いつでも予約を受け付けられる点にあります。

予約の取りこぼしを防ぐとともに、予約の管理を一元化。外部のグルメサイト経由を含めたさまざまなチャネルからの予約を、紙の予約台帳など使わず、すべてデジタルで管理することができます。

ネット予約機能では、自社のWebサイトにリンクを貼ることで利用できる送客手数料無料の予約ページを用意。自社Webサイトから簡単にネット予約を受け付けることも可能に。

加えて、無断キャンセルを防ぎつつ、発生した場合はキャンセル料の回収を確実に行うことのできる、オンラインのクレジットカード決済・与信機能「キャンセルプロテクション」や、空席や回転・配席状況、予約一覧などが一目でわかる管理画面なども完備され、飲食店の「あったらいいな」が詰まったシステムです。

パソコンやタブレット、スマートフォンなどマルチデバイス対応で、小規模店舗から1000席規模の店舗まで、規模を問わず多くの飲食店で利用されています。

あらゆる領域でオンライン予約が役立つのではないか

谷口氏がTableSolutionを立ち上げるきっかけとなったのは、クレジットカード決済の代行企業で勤務した経験からでした。当時、ホテル業界では、ネット予約が一般化。ホテル業界のお客さまとやり取りする中で、24時間人の手をかけずに対応でき、キャンセルになった場合もキャンセル料を請求できるなど、ネット予約のメリットを強く実感しました。そして、このネット予約のメリットは、他の業界にも当てはまるのではないかと考えはじめたのです。

谷口氏「ネット予約の仕組みは、飲食店や美容室など、オフラインの役務を提供している他の業種にも、必ず波及するだろうと思っていました。そこで、オンライン上のユーザーと、オフラインのサービス提供者を結びつけるような、橋渡し的なサービスを立ち上げたいと考え、起業に至ります。当初は他の飲食系予約サービスの創業期に役員として参画し、その後起業。別の飲食店のネット予約サービスの代理店をやりつつ、TableSolutionの種となるアイデアを固めていきました」

飲食店に予約サービスの導入を提案していくなかで、谷口氏は飲食店がネット予約を活用するにはさまざまな課題があることに気づきます。

谷口氏「ひとつは管理の手間でした。電話予約は紙の予約台帳で管理し、ネット予約は管理画面にわざわざログインをして、予約できる席の在庫調整などをしなくてはいけない。さらに、予約受付後は、ネットで受け付けた予約を紙台帳に書き写す作業も必要になってきます。これでは二度手間ですし、トラブルの原因にもなりかねない。他にも、ネット予約の人は当日来なかったり、キャンセルになる割合が比較的高いという課題もありました」

徹底したユーザー視点と改善志向が良いプロダクトを生む

さまざまな課題を目にする中で、徐々にアイデアが固まり、2012年末からプロダクトの開発を開始。ベータ版ができた段階で、いくつもの店舗にテスト導入を依頼し、ヒアリングを重ねながら改善を行っていきました。実際に使ってもらうなかで都度、気付き・改善点が見え、「100の機能を用意しても、実際には150の機能が必要だということが分かる。その繰り返しでした」と谷口氏は振り返ります。

谷口氏「現場で働かれているスタッフの方にヒアリングをすると『予約日時がわかればいいよ』とざっくりした回答をいただくんです。しかし、実際の業務は非常に複雑で、予約日時だけでは足りません。お店の業種・業態規模によって、必要な情報も異なってくる。現場のニーズを正確に把握し、ある程度網羅したプロダクトを作るには相当な会話量が必要でした」

現在でも年間200回を超えるバージョンアップを行い、日々機能追加し続けるTableSolution。キャンセルプロテクションや、特許の電話自動応答「みせばん」(営業中の忙しい時間や、営業時間外の電話予約に自動で応答)など、システムを使う店舗にとってベストなものを考え、徹底したユーザー視点でプロダクトの質を担保し続けています。

谷口氏「もちろん店舗へのヒアリングも大事なのですが、僕らのサービスは店舗とお客さまの架け橋となる存在です。ですから店舗だけで無く、お客さま側の観点も、ものすごく重要になる。時には店舗側からの要望を拒否することもあります。たとえばTableSolutionのネット予約フォームは、お客さまが席タイプを指定できるようにしています。店舗の設定により、「テーブル」「カウンター」「個室」などから予め席を指定して予約をすることができるのです。
ある日導入時の打ち合わせで、お店の方から『うちは仕切りがある個室のようなものを、個室と呼んでいるんだ』という声をもらったのですが、お客さまの視点に立つとそれは完全な個室とは言えません。そのため『半個室』という席タイプを新たに設けました」

商談など大切な場に用いられることもある飲食店。その際に、個室を予約したつもりが、つい立てで仕切られただけで隣に話が漏れてしまう席に通されては、意味がありません。

他方で、店舗に対してもヒアリングにとどまらず、自分の目で確かめることを大切にしています。スタッフマニュアルがあると聞けば読ませてもらったり、予約台帳を見せてもらうこともあるそう。時には受付の後ろに立ってスタッフの忙しさはどれくらいなのか、オペレーションでは何を優先するのかなど、できる限り細かく確かめていると言います。

アジア・世界を見据えたビジネス展開していく


外国籍のメンバーを含め、数多くの社員が働くオフィス

現在では「ヒルトン・ホテルズ&リゾート」「インターコンチネンタル ホテルズグループ」「ハイアット ホテルズ アンド リゾーツ」など大手グローバルホテルチェーンや星付きレストランなど約2,000店舗へ導入されているTableSoluton。中でも、予約比率の高い人気店舗や、おもてなしに定評のある老舗の飲食店から評価を得るなど、一流のサービスを支えています。

谷口氏「TableSolutionを導入したことで、予約管理にかかる時間を大幅に削減したホテルでは、月に6000分(100時間)もの削減に繋がりました。そのホテルでは、月に2000件以上のグルメサイト経由の予約がありそれを全て手動で管理していました。しかも、日中はその管理作業の時間を取れず全て営業時間外の残業になっていたそうです。手間のかかる作業を減らし、労働時間の削減にも繋がった非常に好事例と言えます」

成果の裏には、創業当初から持ち続けている「世界展開」のビジョンも影響しているといいます。TableSolutionは、リリース初日から日本語、英語、中国語に対応。認知度の高いグローバル企業への導入も見据えていました。

谷口氏「導入ハードルは高いのですが、サービス初期の頃からグローバル企業にもご提案を行っていました。グローバル企業への導入には、アジア各国を統括する本部による綿密な調査に対し、他国のサービスと比ベてTableSolutionの優位性を証明する必要がありました。ただし、それを乗りこえれば、統括する地域すべてに私たちのプロダクトを提案できるため、今では韓国、タイ、ベトナムにも徐々に普及しています」

事業の世界展開も進み現在は日本だけでなく、韓国、シンガポールにもオフィスを構えるVESPER。国内も含め、全社員の3分の1ほどが外国籍。現地で働くスタッフは現地で採用を行なうことで、各国のニーズを機微に捉えた営業を実現しているそう。谷口氏は今後について、まずはアジアマーケットを拡大していきたいという方針を掲げています。

谷口氏「海外オフィスを設立する以前から海外の飲食店から使ってみたいという問い合わせをいただいており、現在では海外11ヶ国の飲食店でご利用いただいています。プロダクトの開発は引き続き日本で行っていく予定ですが、サービスの意思決定は各国に任せて、より迅速に判断をしていこうと考えています。その国ごと商慣習や課題、必要なものは異なりますから。フレキシビリティを持たせ世界展開を進めていきたいです」

飲食店における予約業務の効率化は、人件費の削減だけで無く、人間が丁寧に接客すべき部分に人材リソースを投入することにも繋がります。サービスや体験の価値が注目を集める近年、顧客管理・予約管理の自動化は、今後の飲食業界において大きな鍵を握ることになるでしょう。

プロフィール
谷口 優
株式会社VESPER 代表取締役
1984年神奈川県生まれ。幼少期の約10年間をシンガポールで過ごす。CyberSource日本法人(VISAの100%子会社)、English OK(のちに“ピクメディア”に社名変更)を経て、2011年にVESPERを設立。「最高のレストラン体験を実現するプラットフォームを創り、提供する」ことをモットーに、現在も飲食店とレストランユーザー両方の立場から見た"使いやすさ"を追求し続けている。2018年2月現在「Tablesolution」は国内外の飲食店約2,000店舗に導入されており、利用満足度No.1の予約顧客管理システムとして高い評価を得ている。
なお、趣味はもちろん「食べること」であり、平均1日5食をこなす。

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