IT×業務効率化

受付の取次をなくし、集中できる環境を作る『RECEPTIONIST』

ディライテッド株式会社代表取締役CEO 橋本氏

電話の音に仕事を中断された経験は誰しもがあるものでしょう。
とくに来客が多い業種では、一日に何回も鳴る受付からの取り次ぎに、ため息をこぼすことも少なくないはず。必要なことだから仕方はないものの、集中したいときに邪魔されてしまうのはつらいところです。
そんな受付からの取り次ぎを効率化し、受付側における業務の効率化と、オフィス側の手間を削減する双方にメリットを提供するツールが『RECEPTIONIST』です。今回はそんなRECEPTIONISTを開発する、ディライテッド株式会社代表取締役CEO 橋本真里子氏にお話を伺い、同プロダクトが生まれたきっかけから、今後についてまでを伺いました。

受付業務の裾野を広げる『RECEPTIONIST』

はじめに『RECEPTIONIST』の特徴を整理していきます。
RECEPTIONISTは内線電話を使わず、来客を取り次ぐ受付システム。これまでは通話し来客を取り次いでいたものを、チャットツールとRECEPTIONISTを連携することで、訪問者が担当者を直接呼び出せるというもの。同プロダクトが提供する価値を橋本氏は以下のように語ります。

橋本「私はRECEPTIONISTを通し、人にしかできない仕事に注力する環境を作れると考えています。取次の業務は人の手を介す必要はありません。それを自動化することで業務を効率化し、受付業務に2,3人必要だったものをひとりで対応するといったことも実現できる。コストがかけられない企業にとっては無人/有人の選択肢を提供するする効果もあります。私はRECEPTIONISTがあることで、受付の裾野を広げる役割になるのでは無いかと考えています」
RECEPTIONISTという受付業務の効率化ツールを生まれるきっかけとなったのは、橋本氏自身が受付業務を経験していたからに他なりません。同氏は10年以上にわたり、上場企業5社で受付業務を担当してきました。

橋本「私のように10年以上続けている人は珍しい方なのですが、10年経て次のキャリアを考えるなかであらためて感じたのが、”受付は何も変わっていない”ということでした。この10年でスマートフォンが登場しさまざまなITツールが登場し活用されている中、受付の業務は相変わらずアナログなままでした」

10年以上の受付業務から見えてきた、受付の負

橋本氏自身受付を経験してきた5社中、4社がIT企業だったこともあり、ITの変化には比較的敏感な方だったといいます。受付を担当する企業も次々と新しいサービスやITプロダクトを開発していく中、唯一受付業務は変化がありませんでした。

橋本「受付では、毎回名刺2枚を出していただいたり、手書きで受付票を書いていたきます。その受付票はエクセルに手入力し、紙は総務に持っていって、保管する。今の時代にこれはどう考えても負でしかありませんでした。手書きでなければいけない理由もないですし、効率化した方が皆が幸せになるのは明らかでした」

しかし、10年以上受付業務を担っていくなかでも、業務を効率化しようと取り組んできた人はいなかったといいます。その背景を橋本氏は以下のように分析し、事業に取り組むことを決意しました。

橋本「受付は効率よりも質を求められる現場です。より効率よく仕事をすることよりも、“会社の顔としてどう接客の質を向上するか”を考える。ゆえにいつまで経っても業務は効率化されないのです。それに気づいたとき『これは、現場をよく知る私がやるべきなんじゃないか』と思ったんです」

はじめての起業、数多くのサポートを経てリリースへ

受付業務の中から見えた課題を解決すべく2016年1月に起業した橋本氏。同士にとってははじめての起業に対しアドバイスやサポートをくれたのは、受付の仕事をする中で出会ったIT企業の人だったといいます。なかでもとくに大きなサポートを提供してくれたのは、飲食店向け予約管理サービスを提供するトレタでした。

橋本「RECEPTIONISTの原型には、『→Kitayon(キタヨン)』という受付サービスがあります。キタヨンはトレタCTOの増井さんを中心とする有志のメンバーが、ハッカソンで制作し、優秀賞をとったプロダクトでした。私自身以前からトレタCOOの吉田さんと親交があり、近しいサービスを作ろうとしていたので、『一緒に取り組めることがあれば是非』とお話をしたところ、先方から協業をご提案いだたき、最終的にはソースコードを引き継ぐことになりました」

キタヨンは有志の開発メンバーによって生まれたプロダクトだったこともあり、トレタとして事業化できないという課題を抱えていたといいます。そこにちょうど橋本氏の話があり、最終的には有志メンバーからトレタを通し事業譲渡。あわせて、トレタの経営陣がデュライテッドのアドバイザーとして参画しました。

橋本「原型といいつつもキタヨンは受付機能のみでしたので、RECEPTIONISTになるまでにはもちろん開発リソースを要しました。むしろトレタさんとご一緒できたことの価値は、ソースコードではなく、CEOの中村さんやCTOの増井さんといった方々に、サービス作りやビジネス作りのアドバイスを頂けたことかもしれません。はじめての起業でしたから、経験のある方からのアドバイスはとても心強かったです」

キタヨンの譲渡、開発期間を経て、創業からちょうど1年経った2017年1月、RECEPTIONISTは正式版の提供を開始。初速の段階から橋本氏が想定していたものをはるかに上回る登録や問い合わせ、取材依頼が集まってきたと言います。

橋本「あくまで主観ですが、非常に大きな反響をいただいたのではないかなと感じています。SNSやプレスリリースなどからのサービスの登録、お問い合わせ、アポの打診も数多くいただきました。メディアからの取材依頼もあり、当初の想定よりはかなり大きな反響をいただけました」

RECEPTIONISTの実績・今後

2017年のリリースから徐々に顧客は増加。ウェブサイトを見ても明らかなように、IT系を中心に導入が進んでいます。2018年2月2日時点で同社が公開している情報によれば、総受付回数は18万回を突破。多くの企業が、継続的に利用していることが伺えます。

橋本「よくお客さまに言っていただくのは『電話が鳴らないので、業務に集中できるようになった』ということですね。この利便性を体感いただけると内線電話に戻すという選択はなくなってくる。すると必然的に継続的にご愛用いただけるというかたちだと思います。導入されている企業も多様化が進んでおり、最近では会計事務所などの士業の方や、人材系など来客が多い業種でご利用いただく機会が増えています」

とくに人材系などは登録や面談など来客の数も頻度も高く、来客対応の効率化は非常に大きな意味があると考えられます。橋本氏は働き方改革などの文脈をふまえ、IT系以外の企業でも導入が増えていくことが大切だといいます。

橋本「労働人口が減少し、働き方改革の必要性が叫ばれる中、企業の業務効率化の波はとても大きなものになってきています。現状3割近くの企業がチャットツールを導入していますし、受付は多くの企業にあるものですから、我々のプロダクトは必ずそこで価値を提供できる。セキュリティ面もクラウドの方が高いのが当たり前の時代、受付という効率化しやすいところから、どんどん効率化できないかと試していって欲しいですね」

プロフィール
橋本真里子
ディライテッド株式会社代表取締役CEO
2004年より、トランスコスモス株式会社の受付としてキャリアをスタート。その後、株式会社USEN、株式会社ミクシィ、GMOインターネット株式会社など大手企業で受付リーダーとして組織運営から人材育成まで幅広く担当する。IT系企業に勤めた経験と、受付の知見を生かした受付サービスを創りたいと考え、2016年1月にディライテッド株式会社を立ち上げる。

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