―スパイラル®を導入した結果、どのような成果がありましたか?
鄭COE申請に関しては人件費が大幅に削減できています。それまでは、COE申請の期間は、9人のスタッフがフル稼働していました。毎日遅くまで残業しないと終わらなかった状況でした。しかし、スパイラル®を導入したことで、現在は約半分の人数で処理できるようになりました。その分、他の業務に対応できるようになって、本当に助かっています。
垰口郵送コストも大幅に削減できました。COE申請のシステムを構築した後、選考結果通知と入学手続も統合したことで、選考結果通知時の郵送を不要としました。また、入学手続書類や入学前学習の案内などもマイページで確認でき、必要書類の入力、アップロードも合わせて行える機能も追加したことで、郵送が必要な書類も激減。結果的に、当課だけで毎年約1千万円以上かかっていた郵送費を6割近く削減することができました。以前は、書類を発送する際の同封書類のチェックなども必要だったので、その作業も大幅に減っています。
―他にも良かった点はありますか?
鄭留学生の負担も減ったと思います。申請する時は高校生ですから、彼らにとっては初めて記入する書類ばかり。どのように記入していいかわからないものもあったと思いますが、オンライン入力となり、何を入力しアップロードしなければならないことが明確になったことで、分かりやすさが格段に向上したようです。また、以前は自分の書類が届いているのか、申請はどこまで進んでいるかなどがわからず、メールで問い合わせてくる留学生も多かった。それが今は、マイページで手続きの進捗がわかるようになったので、安心していただけているのではないでしょうか。
垰口もし今もオンライン化を進めていなかったら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、大混乱になっていたと思います。輸送がストップしてしまった国もありましたから。オンライン化をしておいて本当に良かったと実感しています。
―スパイラル®に関して、良いと感じている点はありますか?
垰口柔軟性があるところですね。最近も、COEの書類が変更になり項目を増やさなければならなくなりました。他社の基幹システムは、項目を1つ増やすだけでも1年以上掛かると言われたのですが、スパイラル®は2カ月程度で対応可能とのこと。何か変更が必要になった時に「対応できます」と言っていただけるのは、本当に安心ですね。担当の方々も、私たちの業務内容をよく理解してくださっているので助かります。
鄭私は、他社のシステムにも触れる機会が多いのですが、スパイラル®は管理者側の機能が非常に充実していると感じています。例えば、メールの配信機能やデータのアップロード・ダウンロードの機能、条件設定などですね。インターフェイスも非常に優れていると思います。
―今後、このシステムをどのように発展させていこうとお考えですか?
垰口先ほども少し触れましたが、COE申請をオンライン化した後、選考結果通知や入学手続きなど毎年少しずつ機能を追加しています。直近では支払いの機能も追加しました。奨学金の兼ね合いなどで学生によって請求額が違うのですが、それをきちんと振り分けられる仕組みを作っていただき、オンライン上で入学手続金等をカードで支払いができるようにもしました。その結果、今は選考結果通知から入学までに必要な一連の手続きを全てオンライン化できています。
世界ではデジタル化が急激に進んでいます。今後その流れは更に進んでいくでしょう。
デジタル化やDX化とどのように向き合うか、そして適切な手を打てるかどうかが、大学が生き残っていけるか否かに関わってきます。世界のどこにいてもどんなデバイスでも分かりやすく、入力しやすい仕組み作りを進めるなど、時代に合わせて随時仕様を変えていきたいですね。このような改善の取り組みを一つ一つ積み重ねることが、世界から選ばれる大学であり続けるために必要だと信じています。
鄭今、入国管理局がCOE申請のオンライン化を進めていています。APUのシステムも、そのフォーマットに合わせて、情報を自動で落とし込めるようにしていきたいと考えています。国のシステムに仕様を合わせていくことになるので、細やかに対応してきたいですね。また大きなチャレンジになると思います。