そもそも、ACWの企画が⽴ち上がったのは昨年3⽉。そして8⽉にはスタートさせる予定で動いていた。ローンチまでわずか5カ⽉⾜らずという異例の早さだ。
情報システム部で開発を担当する伊藤 匡史⽒は「そのため、スピード感のあるサービスで開発を⾏う必要があり、要件定義から始めて⼀から開発する⼿法をとる時間はありませんでした」と当時を振り返る。
そこでコクヨが選択したのは、パイプドビッツのクラウド型プラットフォーム「スパイラル®」だった。Webアプリ構築プラットフォームはいくつかあるが、なぜスパイラル®を選んだのか。選定の決め⼿について、伊藤 匡史⽒は次のように明かした。
「ACW会員サイトは『はたナビクイック』『はたナビプロ』以外にも多くの機能を構築する必要がありました。これらの機能を⾼いセキュリティでかつ、短い開発期間での構築に、『⼤丈夫です』というお墨付きをいただけたのは、唯⼀パイプドビッツのスパイラル®だけでした」(伊藤 匡史⽒)
コクヨ 経営管理本部 情報システム部 東京ビジネスシステムユニット
伊藤 匡史⽒
スパイラル®では、あらかじめ⽤意された600以上のコンポーネントをブラウザ操作で組み合わせるだけで、データベース(DB)に連携したWebUI、認証、メール配信などを組み込んださまざまなWebアプリを作成できる。⼟台となるDB構築も簡単で、SQLをわざわざ書かずとも、グラフィカルなUIで直感的にDBを構築することが可能だ。メールマガジン、お問い合わせ管理、顧客情報管理、Web給与明細など、よくあるアプリのテンプレートも多数⽤意されている。
ノンプログラミングでWebアプリを作れることが特徴ではあるが、PHPで柔軟にカスタマイズすることもできる。実際、「はたナビ」はスパイラル®のプラットフォームをうまく活かしながら、PHPでかなりの部分をカスタマイズして作成しているという。さらにAPIを利⽤すれば、さまざまな外部システムとの連携も可能だ。
「サービスの選定にあたっては外部システムとの連携が容易にできることも必須条件でした。ACW会員には1⼈1枚会員証を配布していて、弊社のライブオフィスやセミナーの会場にあるリーダーに会員証をかざすと、その情報がスパイラル®のデータベースに書き込まれ、後から⾃⾝の活動情報を振り返ることができます。また、活動履歴に応じてポイント付与される仕組みとなっており、⾼ポイントを獲得された会員は年に1回販売店様が集まる⼤会で表彰をさせていただきます」(伊藤 匡史⽒)
またACWのような会員制のWebサイトを構築したとき、課題となるのが、セキュリティをいかに担保するかという点だ。
「ACWの場合には、会員の⼤切な個⼈データを扱うことになるので、特にセキュリティについては重視していました。これについても、SPIRALは⾦融機関や官公庁など、幅広い業種や業態に実績があり、信頼性も⾼いと判断しました。さらにパイプドビッツ様から、リスクも含めた形で、さまざまな視点からのアドバイスをいただけたことにも安⼼感を持てました」(伊藤 匡史⽒)