―サイトリニューアルのマーケティングオートメーション戦略で構築されたシステムとはどのようなものですか?
製品に関するコンテンツを効率的に増やしていくこと、マーケティングの各プロセスにおけるアクションを可視化・自動化することを目的に、2つの無料ツールとSFA(セールス・フォース・オートメーション)・当社のスパイラル®を使いシステムを構築しています。
CMS(コンテンマネジメントシステム)は、コンテンツを作成・反映しやすいことはもちろんのこと、SEOの観点からAMP(アクセラレイティッド・モバイル・ページ)対応にすること、汎用性が高いことを基準とし、『ワードプレス』を採用しました。次に製品コンテンツを増やし、誰が、どのタイミングで、どのような情報を求めアクセスしたことの行動データを収集するため、サイトに訪れた方のアクションを記録し、最適なコンテンツを、最適なタイミング、最適な方法で届けることを自動化するための仕組みが、ワードプレスのプラグインであり、オープンソースのマーケティングオートメーションツールの『マウティック』を採用しています。
―マーケティングオートメーション戦略でのスパイラル®API連携機能はどのようなものですか?
今回のシステム構築の場合、オープンソースのワードプレスとマウティックを利用したため、セキュリティの上で多くの不安を抱える構成となりました。そのため、個人情報をはじめとする重要情報を全てスパイラルに入れることを前提とし、IDのみをAPIで連携してつなぐことで、セキュリティの高いシステム構成を実現しています。
サイト訪問者は、コンテンツを閲覧したIP情報での行動データのみがMAシステム(マーケティングオートメーション)に蓄積され、フォームで入力された個人情報の取り扱いでセキュリティの脆弱性がないよう万全に管理をする結果な役割として、スパイラル®︎の連携機能を活用しています。スパイラル®︎の機能は、API連携機能、認証、データベース、フォーム作成です。
もう一つの側面としては、インサイドセールをおこなっていく上で、お問い合わせフォローの連絡を入れる時や、セースルチームがお客様のニーズを把握するために情報を確認する場合、SFA(セールス・フォース・オートメーション)のツールと連携しているので、個人情報がスパイラル®のデータベースで管理がされていると︎、お客様がどのような状態にあるかの情報更新がスムーズになり、営業で最新のステータスを知って提案をしやすくなる利点があります。
―システムの構築はどれくらいの期間がかかりましたか?
その間に起こった問題や気づきなどのアドバイスはありましたか?
サイトリニューアルは昨年2016年より構想をはじめ顧客コミュニケーションの設計からシステム構築、サイトローンチまで約半年かかりました。
最初に定義したのが、どのようにお客様とコンタククトポイントをとっていくか、顧客設計が中心の議論からスタートしています。お客様とのコンタクトポイントの課題に対して、何の機能を使えば、コミュニケーションを円滑にできるかの要件をあげていくことで、具体的に使用するツールが決まってきた流れです。ツール系が決まってくるとプラグインで何を使用するか、連携はどのようにしていくか、セキュリティの安全性の確保、現存のサイト内のコンテンツ整理をして、ようやくサイトリニューアルの作業が開始しました。
スタートのミッションを忘れないことを強く意識していたので、SEO対策がきちんとできるか、コンテンツマーケティングを実施するための下地は揃っているか、セキュリティに不安はないかとの基本的なところから其れないよう問題点を丁寧に改善しながら時間をかけてシステムの構築をし、サービスインに至るまで試行錯誤を繰り返しています。
サイトリニューアルを進めていく中で、重要に感じたことは自由度が高いツールを選ぶことです。顧客コミュニケーションの設計をしていても、運用していく中で変わるものと捉えており、設定が変わる前提のシステムを入れることをオススメします。
また、マーケティングオートメーションツールは、通常だと毎月のシステム利用料がかかりますが、当社のマーケティングオートメーション戦略で採用したシステムは、オープンソースのツールなので費用が無料です。はじめから全てを使用することは無理があるので、最低限のシステム構築ができるもので、必要になった時に機能を追加していく、小さくいれて大きく育てる考え方がコツかもしれません。
―システムの構築で、工夫された点、こだわった点などがあれば教えてください。
お客様とのコンタクトからアプローチまで、各システムの役割や特徴のいいとこ取りをして、マーケティング業務を管理・効率化させる一連の流れをシステム連携で構築し、推進をしていけることが今回のポイントです。
お客様に提供する製品情報のコンテンツを『ワードプレス』で効率的に増やし、サイトに訪れた方の行動データを『マウティック』で集約・分析、お問い合わせが入った段階で、顧客情報をセキュアなスパイラル®︎のデータベースで管理する流れをつくっています。
サイト訪問者の行動データは、『マウティック』のIP情報で把握をしているので、顧客情報が入っていない状況ですが、お問い合わせのフォーム入力がされた時にスパイラル®︎のデータベースに情報が蓄積しIDの付与と紐づけがおこなわれることで、顧客情報とサイト行動データの関連性がわかるようになります。
スパイラル®︎の顧客情報と、『マウティック』の行動データがIDで紐付けされ、お客様がどのようなサイト行動をとっていて、何に興味を示していたかを事前に把握している事で、インサイドセールスでのお問い合わせフォロー時に、素早くお客様の知りたい情報提供ができるようになるわけです。