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問い合わせ管理システムの選び方とは。メリットデメリットを解説

掲載日:2020年9月4日更新日:2024年2月21日

問い合わせ管理の見直しを考えているなら、システムの導入を検討しましょう。そのためには、システムの特徴や、導入によるメリット・デメリットを知ることが大切です。この記事では、自社に合う問い合わせシステムの選び方のポイントや導入のメリット・デメリットを紹介します。導入する際の参考にしましょう。

問い合わせ管理のシステム化

手作業で行っている問い合わせ管理をシステム化すると、社内の体制はどのように変わるのでしょうか?管理の重要性と、導入により変化する点を紹介します。

問い合わせ管理の重要性

ユーザーに対して質の高いサポートを実施する場合、問い合わせ管理はとても大切です。

個人情報・購入履歴・問い合わせ履歴などのユーザーの情報をまとめて管理することで、必要な情報をすぐに確認でき、『最適なサポートを実現』できます。

問い合わせ件数が少ないうちは、手作業で情報の管理が可能です。担当者の負担もそれ程大きくはないでしょう。しかし、件数が増えるほど、情報が分散しやすくなり、必要な情報が見つかりにくくなるのです。

必要な情報が見つからないと、対応漏れや二重返信・間違えた内容での回答などが起こりやすくなります。対応の質が低下し、ユーザー満足度が低下する恐れもあるのです。

問い合わせ管理のシステム化の特徴

手作業だと煩雑になる問い合わせ管理ですが、システム化すると自動的に『対応ステータス』が分かります。どのユーザーに、誰がどのような対応をしたのか、もしくはしていないのかが一目瞭然なのです。

システムをチェックするだけで、対応ステータスを共有できるのでミス予防に役立ちます。

問い合わせフォームからの問い合わせはもちろん、電話・チャット・メール・SNSなど、さまざまなチャネルで寄せられた問い合わせを、一元管理できる点もポイントです。

例えば、SNSで届いた問い合わせに電話で対応する、といったケースでも履歴を残せるシステムもあります。

問い合わせ管理システムの主な機能

問い合わせ管理システムの主な機能

ユーザーへの対応の質を高める問い合わせシステムでは、どのような機能を使えるのでしょうか?

フォーム作成や対応

自社サイトや専用のサイトから問い合わせを受け付けるには、窓口となるフォームが必要です。システムを利用することで自由に項目を設定したフォームが簡単に作成できます。

システムによっては、さまざまな言語に対応したフォームをつくれます。日本語以外の言語を使うユーザーにとっても、便利な仕組みを構築できるのです。

問い合わせへの対応をしやすい体制づくりもできます。問い合わせ内容に応じて担当者を自動的に振り分け、メールで通知したり、対応期間を過ぎてもステータスが変更されない場合にリマインドメールを配信したりできるのです。

このようにして対応漏れを防ぎ、ユーザー満足度低下を防ぎます。

情報共有や対応管理

情報共有がしやすい機能も備わっています。問い合わせ内容を一覧で参照したり、未対応分のみ表示させたりできるため、必要な情報をすぐに閲覧できるのです。

共有する情報を個別に設定もできます。閲覧するページや対応する問い合わせを制限することが可能です。例えば、エリアごとに分けることや、管理職と一般社員で分けることができます。

また、システムを使って作成した回答メールは、問い合わせ情報とともに記録される仕組みです。そのため、過去の似た問い合わせへの回答を参考にすると、よりスピーディーな対応が実現します。

分析や連携機能

問い合わせ対応ができるだけでなく、対応の質の向上や、さらにはサービスの改善につなげることも可能です。

例えば、アンケート機能を利用すれば、問い合わせ対応についてのアンケートを実施できます。アンケート結果を分析することで、今後のカスタマーサクセスの体制づくりに生かせるのです。

また、システムに備わっている連携機能を使えば、他のシステムとの連携ができます。

営業支援システムと連携すると、営業担当者はユーザーの問い合わせ履歴を参照できるようになり、営業の参考にできます。

他にも、コンテンツ管理システムと連携すると、よくある問い合わせをFAQとして自動的に公開でき便利です。

問い合わせ管理システム導入のメリット・デメリット

問い合わせ管理システム導入のメリット・デメリット

問い合わせ管理システムは、便利な機能をたくさん備えています。メリットが多いのは事実ですが、デメリットもあります。よい点と悪い点、両方を知った上で導入を検討しましょう。

メリット

対応の負担軽減と業務効率化

メリットとしてまず挙げられるのは、担当者の負担軽減と、仕事の無駄を省けることです。

現在、問い合わせ管理はチャネルが増え複雑化しています。電話やメールはもちろん、フォーム・SNS・チャットボットなどを通して、気軽に問い合わせできるようになっているからです。

様々なチャネルからの問い合わせを手作業で紐づけていくのは一苦労ですが、システムなら一元管理ができ、状況をすぐに把握できます。過去の問い合わせ履歴を検索する負担も一気に軽くなります。

さらに、回答のテンプレートを用意する機能や、担当者への振り分けやユーザーへのリマインダーメールの自動化、使いやすいデザインによる操作性の高さなどにより、大幅な業務効率化が実現します。

顧客満足度アップ

対応に日にちがかかりユーザーを待たせることは、ユーザー満足度を下げることにつながります。場合によっては、クレームや取扱商品・サービスへの不満につながることもあるのです。

システムを導入することで、ユーザーへの対応をよりスピーディーに実施できます。対応マニュアルや回答のテンプレート・過去の事例などをすぐに参照できるため、迅速な対応が可能です。

加えて、情報共有が簡単にできるため、対応の漏れも起こりにくくなります。その結果、ユーザー満足度の向上に役立つのです。

デメリット

それなりのコストは必要

社員の負担を減らしつつ、ユーザー満足度向上に役立てられるシステムですが、デメリットもあります。代表的なのは『コストがかかる』という点です。

導入するときに必要な初期費用に加え、毎月の月額費用がかかるシステムもあります。月額費用がかからないタイプでも、メンテナンス費用が必要かもしれません。

また、多機能で高性能なタイプほど、コストは高くなります。限りある予算を投入して導入するシステムのため、費用対効果ができるだけ高くなるシステムを選びましょう。

セキュリティリスク

システムを導入すると、『セキュリティリスクが高まる』という点もデメリットです。

特に、インターネット上でログインして使うタイプのシステムは、使用状況によって個人情報や機密情報が漏れることにつながる可能性があります。

例えば、自社で使用している端末にロックがかかっていない、アカウントに自動ログインしている、という状態ではセキュリティレベルは低い状態です。

また、社内でできる対策をしていても、システムを提供している事業者へサイバー攻撃が行われる可能性があります。

リスクをできるだけ低くするため、自社の基準を満たすセキュリティ対策を実施しているか確認しましょう。

問い合わせ管理システムの導入事例

問い合わせ管理システムの導入事例

ここまで、問い合わせ管理システムの特徴やメリットデメリットを解説しました。では、導入すると、具体的にどのような使い方ができるのでしょうか?実際の事例を紹介します。

事務コストの削減

手作業でユーザーの情報やメール返信の管理を行っていた企業では、システムの導入によって事務の負担を大幅に減らしました。

まず、ユーザーへの申し込み受領メールを自動化することで、手作業で返信していた手間の削減ができます。

ここで手間が減った分、受領メールの内容充実につながりました。そして受領メール内で、振込先や独自の申し込み番号を表記することが可能になります。

また、ユーザーの情報をシステムで一括管理できるようになったため、管理用のソフトに手作業で打ち込み直すことがなくなります。

担当者が担う事務作業が削減でき、より質の高い対応をスピーディーにできるようになるのです。

LINEと連携

利用者の多いLINEと連携できるシステムもあります。例えば、学校法人の導入事例では、学生への連絡をLINEでできるようになりました。その結果、返信率の改善と負担軽減を実現した事例があります。

また、LINEとの連携を活用して、会員システムを構築した旅館もあります。ユーザーの属性に合わせ、最適な情報配信をすることで来館を促しました。

開封率の高いLINEを活用することで、ユーザーがメッセージ読んでくれる可能性も高まります。メールやSMSと合わせ、状況に応じて連絡手段を選べる体制がつくれるのです。

SMSと連携

携帯電話番号を使って送信するSMSは到達率・開封率ともに高い連絡手段です。重要な通知をユーザーに確実に届ける手段として、注目されています。

実際にSMS連携を導入した企業では、重要な通知が漏れなくユーザーに届く体制づくりがしやすくなり、その結果、ユーザーの満足度向上や継続利用にもつながるのです。

また、通知がスムーズにできるため、関連する業務の効率化も実現します。

問い合わせ管理システム運用のポイント

問い合わせ管理システム運用のポイント

導入したシステムは、効果的な運用をすることで、機能を生かした業務効率化をしたり、対応の質を高めたりできます。効果的な運用のためには、ポイントを押さえることが大切です。

フォームの見直し

導入したシステムをそのまま使い続けていると、システムを活用しきれない場合があります。効果的に使いやすい状態をキープできるよう、適宜見直すことが大切です。

まずはフォームを見直しましょう。フォームの項目を工夫することで、その後の対応がよりスムーズになる可能性があります。例えば、質問の種類を選ぶ項目を作ることで、担当者への振り分けが自動化できようになります。選択肢ごとに担当を決めることで、質問への専門性が高まりやすく、スピーディーな返信がしやすいでしょう。

対応体系を構築

より効果的な対応体系をつくるための見直しも大切です。

例えば、システムのダッシュボードで、未対応・対応中・トラブル案件などの件数をチェックできるようになっていれば、対応漏れがないか一目で気づきやすくなります。

また、他部門への確認が必要な問い合わせへの確実な対応には、アラート発信機能が役立ちます。万一、確認待ちのまま時間が経過し埋もれてしまっても、アラートを設定しておけば長期間の対応漏れを防げます。

加えて、自分の担当以外のタスクも確認するルールを設けると、ダブルチェックやトリプルチェックにより確実性が高まるのです。

テンプレートの活用

頻度の高い問い合わせへの回答は、テンプレートを用意しましょう。システムを使用し続けているうちに、頻度の高い質問は変化することがあります。問い合わせを定期的に集計し、必要なテンプレートを追加していきましょう。

問い合わせ管理システムの選び方

問い合わせ管理システムの選び方

問い合わせ管理システムにはさまざまな種類があります。それぞれの特徴を比較すると、自社に合うシステム選びがしやすくなるでしょう。

有料システムとオープンソース

システムには、有料システムと無償で使えるオープンソースがあります。有料システムの特徴は、機能のサポートと充実度の高さです。さまざまな機能を活用することで、自動化はもちろんデータの集計までできます。

使い方が分からない場合には、サポートを受けられるため、専門知識を持ったIT担当者が社内にいない場合でも使いやすいでしょう。

一方、オープンソースは無償で利用できるものも多く、コードをある程度自由に変更できる点がメリットと言えるでしょう。一方でプログラミングの知識が必要であること、サポートが受けられないことがデメリットと言えます。社内にシステム部門があり、専門知識がある場合はオープンソースの利用でもよさそうですね。

クラウドとオンプレミス

クラウドとオンプレミスの違いも比較しましょう。

インターネット上でログインするだけで使えるのがクラウドです。自社でサーバーやソフトウエアを保有しないため、比較的低予算で導入できます。短期間で導入できるため、すぐに使いたい場合に便利です。

さまざまな機能から必要なものを選んで使用できますが、自社専用ではないため、使い勝手が悪い面が出てくる可能性もあります。

オンプレミスは、サーバーを自社に設置しシステムを構築する方法です。導入費用が高額なことや、メンテナンスの実施が必要な点はデメリットといえます。

しかし、予算と手間がかかる分、カスタマイズの自由度が高く、自社専用の使い勝手のよいシステムをつくれます。

問い合わせ管理システム選びのチェックポイント

導入するシステム選びでは、どのようなポイントをチェックするとよいのでしょうか?

ニーズを満たす機能と連携のしやすさ

まずチェックするのは、『必要な機能を満たしている』かどうかです。

機能が不足しているシステムでは、導入しても業務効率化が見込めない可能性があります。反対に、不要な機能があるその分コストが高くなる可能性もあります。過不足なく機能がそろっているものを選びましょう。

連携のしやすさも大切です。例えば、既存の問い合わせフォームがある場合、システムと連携させられると、新たなフォーム作成の手間が省けます。その場合、API連携という機能があると便利です。

導入や運用のコスト

機能の充実度と同時にコストに見合った効果が得られるシステムであることもチェックしましょう。費用対効果の高いシステムを導入できれば、最小限の費用で負担軽減や効率化を実現できます。

セキュリティやサポート体制

顧客情報を管理するシステムは、セキュティ対策もポイントです。情報漏洩などが起きないよう、導入するシステムが自社のセキュリティレベルに合っているか確認しましょう。

具体的には、バックアップの取得・機器の障害対策・不正アクセス防止・データの暗号化・データへのアクションの管理、などです。

システムの導入時や使用時には、分からない点も出てきます。サポート体制が充実していると、不明点を素早く解消でき、スピーディーに使い始められるでしょう。

無料サポートと有料サポートで、受けられるサポート内容が違う場合があることにも注意が必要です。事前にサポートの範囲を確認することが大切です。

まとめ

問い合わせ管理システムを導入することで、社員の負担軽減や業務効率化につながります。スピーディーな問い合わせ対応により、ユーザーの満足度を高めることにもつながるでしょう。

システムを導入する際には現在の問い合わせ管理にどのような課題があるのかを明確にすることが必要です。課題を認識した上で、自社に合うシステム選びをしましょう。

システムを選ぶ際には、必要な機能を満たしていることと、費用対効果が高く予算に見合ったコストであることを確認します。さまざまなシステムを比較して、自社に合うものを導入しましょう。

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