―「顧客情報管理システム」の効果を教えてください。
まず、お客様からのお問い合わせ対応がとてもスピーディーになりました。以前のExcelファイルと違い、「顧客情報管理システム」はすぐに立ち上がりますし、検索窓に情報を入力すれば納入製品、型番、営業担当者などお客様の情報がすぐに一覧で把握できます。以前のように折り返し対応をする機会はほとんどなくなりました。
システムにはこれまでのお問い合わせの履歴や修理の記録も残っているので、お客様からのご質問やお問い合わせに対して、過去の履歴もふまえながら適切な回答ができるようになりました。対応品質も以前と比べて向上していると思います。
営業現場では、既存顧客のフォロー訪問をする際に、スマートフォンで「顧客情報管理システム」にアクセスし、お客様情報を事前にチェックしているようです。お客様によっては複数台の機器を導入されているケースがあり、どの病棟のどの階に機器が納入されているかを確認する必要があります。こういった情報がシステムですぐに確認できるので、営業効率も上がっていると思います。
「顧客情報管理システム」の稼働後は、営業担当者がお客様情報をしっかりと集めてくるようになったことも効果の一つと言えます。顧客情報の充実が、自分たちの営業活動にメリットをもたらすことを営業担当者が実感し始めたのだと思います。
データの集計作業も効率化しました。当社では月一回、新規納入数や修理依頼件数などの情報を取りまとめて会議で報告をしています。以前のExcelでは、報告資料の作成に半日程度かかっていましたが、DBが整備された現在は30分程度で作成できるようになりました。
―今後の展望や取り組みについてお聞かせください。
医療・介護業界のデジタル化は遅れていて、注文書がFAXで届くなど、依然として紙ベースのやりとりが多いのが実情です。これは病院や医療施設で働く方々の中に、紙に手書きをした方が早いという考え方が根強く残っていることが背景にあると考えています。
デジタル化に向けて課題は多いですが、誰かがやり始めなければこの状況は変わりません。スパイラル®のようなツールを使い、私たちメーカーの側からできることを少しずつ始めていきたいと考えています。
最終的には、注文書や保証書、修理依頼書など、現在紙で運用されているものをすべてデジタルに置き換えられるといいですね。データ入力は最初の一回のみで、そのデータが最後までワンストップに流れていくフローも実現すれば理想的です。そういった状況の実現に向けて、これからもスパイラル®を上手く活用していきたいと思います。