マンションの長寿命化を目的に、その計画修繕に関する建議及び請願、技術や技能の研究開発、各種法令講習会の開催など、さまざまな事業を展開する一般社団法人マンション計画修繕施工協会。同協会は、年に一度実施する「マンション改修施工管理技術者試験」の運用の改善・効率化を図るべく、SPIRALで試験受付管理システムを開発しました。
今回は試験の運用やSPIRAL導入に携わった林めぐみ様、細田義裕様に、導入の背景やその成果などについてお話を伺いました。
マンションの長寿命化を目的に、その計画修繕に関する建議及び請願、技術や技能の研究開発、各種法令講習会の開催など、さまざまな事業を展開する一般社団法人マンション計画修繕施工協会。同協会は、年に一度実施する「マンション改修施工管理技術者試験」の運用の改善・効率化を図るべく、SPIRALで試験受付管理システムを開発しました。
今回は試験の運用やSPIRAL導入に携わった林めぐみ様、細田義裕様に、導入の背景やその成果などについてお話を伺いました。
―SPIRAL導入の背景をお聞かせください。
当協会では、事業の1つとして「マンション改修施工管理技術者試験」の運営をしています。2012年から始まったこの試験は、マンション改修工事の施工管理技術者に関する知識や技術、対応能力の向上を目的に年に一度行われるもので、毎年100名程度の方が受験されます。合格した方には当該技術者として登録証を交付し、また登録有効期限が満了となる5年に一度のタイミングで更新手続きを行っています。
以前はこの試験の運用を紙やExcelを中心に行っていたのですが、大きく2つの課題を抱えていました。
1つは、書類の記入や郵送の手間が事務局、受験者双方で発生していたことです。具体的には、試験申込用紙への記入・送付から始まり、受験票の送付、試験結果の通知、合格者の登録受付、登録証の配布、更新・再登録の受付まで、一連の流れがすべて紙で行われていました。手間がかかるうえ、印刷費や郵送費が都度発生することも気になっていました。
もう1つは、受験者や有資格者のデータ管理をExcelで行っていたことによる手間とリスクです。申込用紙からExcelへ転記する作業は、とにかく苦痛で無駄に感じていました。時間をかければできないことではありませんが、手書きである以上どうしても読みにくい文字はありますし、入力ミスを完全に防ぐことも難しく…。また、誤操作によってデータが削除されたり、ファイルが消えてしまったりといったリスクが常にあることもストレスでした。
昨年は、最も合格者が多かった初年度の資格保有者が登録証を更新するタイミングで、新規申込者も含めると相当数の事務作業が発生する恐れがあったため、この機会に紙やExcelでの管理から脱却し、試験運営のシステム化を検討することにしたのです。
―試験運用のシステム化にSPIRALを選定された理由は何だったのでしょうか。
正直我々は、世の中にどういったシステムのサービスがあるのか、どうやってシステム化すればいいのか、どれくらいの金額がかかるのかといったことが全くわかりませんでした。検索の仕方もよくわからない中、漠然とインターネットで会員を扱うホームページが作れるような会社を探し、順番にお話を聞いていく形で検討を進めました。
その中でSPIRALを選定した最大の理由は、我々と伴走いただきながら一緒にシステム化を進めてくれる、パートナーとしての大きな安心と頼もしさをパイプドビッツの方々に感じたからです。
システム化にあたっては、例えば「試験運用においてこういうときはどのように対応されますか?」といった質問を細かくしていただいたのですが、そのヒアリング力がとても素晴らしく、最適なシステム構築のためにこちらの業務フローをしっかりと理解しようという姿勢が感じられました。的確で細かいヒアリングを通じて、我々の需要を整理し、そのうえでどうした方がより効率的かを真摯に考えてくださいました。我々も質問を受ける中で、これまでの自分たちの運用や課題がより明確になり、気づきを与えてもらうような対応をしてくださったことは本当にありがたかったです。こうした対応が「パイプドビッツさんなら間違いなく良いものができるだろうな」という期待感につながりましたね。
また、SPIRALは我々の業務に合わせたシステムが構築できるというプラットフォームとしての柔軟性も導入理由の1つです。実はSPIRALのお話を伺う前に、他のサービス事業者の方からもご提案を受けていたのですが、そのサービスはどちらかというと、システムの仕組みに我々の運用を合わせる必要があるようなイメージで。自分たちの希望を聞いてくれるかどうかも不安でしたし、システムの知見が乏しい我々にとっては少し大変だなと思いました。
―システム構築でこだわったことはありますか。
特に重視したのは、とにかくシンプルで操作に迷わないシステムにすることでした。我々の業界におけるこうした情報管理は、紙で行うことがまだまだ普通で、システム導入やWeb化は当たり前のことではありません。パソコンに不慣れな受験者はもちろん、事務局の担当者にとっても悩まず、直感的に操作できる仕組みを目指しました。
例えば、登録証の更新年度に該当する人にだけマイページ上で更新通知を表示したり、必要作業が未完了の人には定期的にリマインドメールを配信したりと、各人のステータスによってその人をフォローする機能を取り入れました。自分がすべき操作が何なのか案内することで、受験者、合格者、登録者が混乱せず、かつ漏れが無く対応できるような仕組みにすることができたと思います。
―SPIRALで構築した試験受付管理システムの効果はいかがでしょうか。
試験運用の一連の流れをWeb上で行えるようになったことで、課題だった書類の記入・郵送の手間が大きく減り、事務局、受験者双方で利便性が高まりました。
以前は、申込受付から登録証送付までの流れのうち、少なくとも事務局側は4回、受験者側は2回の郵送作業が発生していましたが、現在は合格者への登録証カードの送付のみで、それ以外は全てWeb上で完結します。受験者の情報管理もExcelからSPIRAL上での管理に移行したことで、以前は4~5人体制で時に残業しながら対応していたことが、1.5人ほどで対応できるようになりました。印刷費、郵送費、人件費などのコスト削減に加え、業務全体で効率化できたことは大きな効果に感じています。あと、試験を実施する期間はちょうど決算時期と重なるので、他業務に時間が使える余裕ができたのは嬉しいですね。
―パイプドビッツに対する評価をお聞かせください。
導入時に丁寧なヒアリングを経て開発要件を固めていただいたおかげで、我々がイメージした期待通りのシステムを仕上げてくださいました。試験運用自体がスポット的な業務なので、たまに操作方法を忘れて問い合わせさせていただくことがありますが、いつも質問の意図を理解して解決に導いてくれます。システム導入初心者の我々に対して、営業担当の方だけでなく、色んな方がチームとして支えてくれている感じがしてとても頼もしいです。
―今後の展望についてお聞かせください。
前述のとおり、我々の業界ではまだ紙やExcelを中心としたアナログな業務が一般的です。紙の運用に慣れている方や、普段パソコンをあまり使わない人も多く、システム導入に対するハードルは依然高いものです。我々も初めは不安なことが多かったですが、今回のシステム導入を経て、その大きな効果を実感している今では、他の事業においても恐れず、積極的にDX化を進めていくべきだと考えています。今後具体的に検討していく際には、またパイプドビッツの方々に色々相談させていただきたいです。
(2023年05月22日掲載)