―「ヒアリングシート読み取りアプリ」を用いた展示会当日の運用はいかがでしたか?
当初、アプリを使った初めての運用に少なからず不安を感じていたのですが、当日は大きな混乱もなく、むしろスムーズで効率的な運用ができました。
現場では商談を行う担当者、ヒアリングシートを回収する担当者、バックヤードでシートの読み取り処理を行う担当者に分かれ、商談が終わると同時にヒアリングシートを回収し、アプリでデータ化するという一連の運用を整備しました。商談終了とほぼ同時にデータ化できたので、現在の来訪者数やその属性情報がリアルタイムで集計され、最終的な目標に対する進捗度までその場で把握できたことは、担当者のモチベーションアップにもつながって非常に良かったですね。現場のオペレーションも滞留することが無かったので、過去の展示会出展時と比べてブースの回転率が上昇していることを実感しました。
―本アプリによる具体的な成果を教えてください。
我々が最も問題視していた、紙情報のデータ化における作業工数が大幅に削減できたことは大きな成果です。ヒアリングシートは1日に約120~130枚、3日間で約400枚発生しましたが、このアプリが無ければこれらを手入力でデータ化する必要がありました。1枚約10分かかるとすると、400枚×10分=4,000分。データ化完了までどうしても5営業日程度はかかる想定でした。アプリの導入により1枚1分、計400分ほどになり作業工数は10分の1に。パンチング作業が無くなり撮影するだけで完結するようになったことは、この工数以上の作業負担の軽減を感じますね。迅速なデータ化のおかげで、会期後の来訪者へのフォローアップも翌営業日から開始できるようになりました。実際に、温度感の高いお客様へフォローアップする中で新たな商談が創出されるなど、確かな効果を発揮しています。
また、前述のとおりスムーズな現場運営によりブースの回転率が上昇したことで、想定以上のお客様対応ができ、デモ対応数や商談アポイント獲得数などが過去最大数で目標達成できたことも、このアプリの成果だと思います。上層部への成果報告も正確かつ迅速にできましたし、データベース化された情報は次回以降の出展における参考情報として活用していくつもりです。
―本アプリはどんな人にお薦めできるでしょうか。アプリへの思いなどをお聞かせください。
OCRというデジタル技術についてどの程度正確にデータ化されるのか、実は少々懐疑的だったのですが、かなり汚い崩し文字や画数が多い漢字、癖が強く潰れたような文字でもかなり正確に読み取りができたことに驚きました。展示会という領域に限らず、紙文化が根強い業界や業務においては、確実にコスト削減ができる有力な技術だと思います。
またアプリ開発者の視点からすると、こういったアプリの核となるデータベース周りをローコードで開発できるSPIRALの存在はやはり大きいですね。本来であれば、データベースサーバーを用意して、SQLを記述し、フォームのプログラムを作成して…といった工程が必要ですが、SPIRALがあればこれらはすべてローコード環境内で、簡単な操作で完結します。ヒアリングシート読み取りアプリの開発も時間に余裕があったわけではなく、限られた時間の中で開発完了できたのはSPIRALだからこそだと思います。今回のように他サービスとの連携が必要なシーンでも、APIを通じてスムーズに開発できるので、アプリ開発を内製してみたいと考えていらっしゃる方々にはピッタリなプラットフォームだと、自信をもってお伝えしたいです。