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会員サイト構築

ログイン機能とは|仕組みや必要性、実装時の手順について

掲載日:2021年8月6日更新日:2024年2月21日

ネットの普及により、さまざまな会員制サイトやアプリが誕生しています。個人情報を登録しなければならないサービスには情報を保護するためのログイン機能が搭載されていますが、どのような仕組みで作られているのでしょうか。この記事ではログイン機能の仕組みや実装方法を解説します。

ログイン機能とは

ログイン機能とは

会員登録制のWebサイトやアプリを利用するときには、事前に設定したID・パスワードを入力する画面が表示されます。会員制サイトには個人情報を登録しなければならないことからログイン機能が搭載されているケースが多く、ID・パスワードの設定によって第三者から個人情報を守る役割を担っているのです。ここでは、ログイン機能について詳しく説明します。

ユーザーと登録情報を結びつける役割がある

会員登録制のWebサイトやアプリを利用するときに、本人かどうかを確認するための重要な役割を担うのがログイン機能です。会員登録時に入力した個人情報を守るためにID・パスワードを設定し、悪意のある第三者からの不正アクセスや情報漏えいを防ぐために搭載する機能です。

アカウントIDにはメールアドレスを使用したり自由な文字列を組み合わせたりする方法があり、複雑な文字列を使用することで他の会員アカウントとの重複を防ぐ効果が期待できるのです。

SNSアカウントと連携したソーシャルログインの利用が増えている

普段使用しているSNS上のアカウント情報をそのままログイン情報として使用可能な「ソーシャルログイン」が注目されています。スマートフォンが普及したことにより、誰もが場所を選ばずにWebサイト利用ができるようになったことから、近年急速に広がりはじめているのです。

ユーザー側が会員制サイト登録時やWebサイトを閲覧する際に、何度も会員登録を行う必要がなくなることから、会員制サイトやWebサイト利用に対する障壁が低くなるメリットがあります。ユーザー側だけでなく企業側にとってもメリットがあり、会員制サイト内でユーザーがどのようにサービスを利用しているのかを把握することが可能です。そのため、ユーザーに対してよりよいサービスを提供するための材料として活用できるのです。

ログイン機能の仕組みとは

ログイン機能の仕組みとは

会員制サイトのログイン画面でID・パスワードを入力、もしくはSNSアカウントを利用したソーシャルログインを活用すると、およそ1〜3秒程度で本人確認処理が完了して会員ページを閲覧できます。この短時間の間に、Webブラウザやサーバーではどのような処理が行われているのでしょうか。ここでは、会員制サイトにログインする際の仕組みについて解説します。

ユーザーが入力したID・パスワードが一致するかを確認する

ユーザーが会員制サイトを利用するときには、会員登録時に設定したID・パスワードを入力し、サーバーに対して本人確認のリクエストを送ります。送られたID・パスワードの情報は、個人情報を保管するサーバーのデータと照合し、リクエスト内容と登録情報が一致するかどうかを確認します。ID・パスワードが両方一致したら、本人確認完了となるためログイン完了後のページを送信します。

SessionとCookieによってユーザー情報を発行・保存する

ログイン機能は、本人を識別するデータであるSessionと登録した個人情報を保存しているCookieによって成り立っています。SessionとCookieは単体では成り立たず、それぞれが持つ機能が組み合わさることで正常に作動します。

それぞれの役割を簡潔に説明すると、Cookieは「誰が」というユーザー情報を、Sessionは「何をするか」という行動情報を取得しています。ログイン自体はSessionを使用しますが、サイトを閲覧する人物が本人であるかを識別するためにCookieが使われ、これらによってユーザー情報を発行してWebブラウザに保存されるのです。

ログイン状態が維持される

SessionとCookieによってWebブラウザに本人確認情報が保存されているため、会員ページ閲覧中はログイン状態が続きます。会員ページ内で別のページをクリックするたびにサーバーに閲覧権限リクエストが送られますが、このときにはSessionも同時に送られるためログイン状態を保ったまま別ページを閲覧できるようになっています。

ログイン機能の必要性とメリットとは

ログイン機能の必要性とメリットとは

個人情報を保護する目的でログイン機能を搭載するケースが多いですが、導入する上でのメリットは個人情報保護に留まりません。ログイン機能は、会員制サイトやアプリに登録しているユーザーの性別や年齢などを収集してマーケティングを行い、ユーザーの満足度を高めるコンテンツやサービスを提供することにも役立つのです。

最近はSNSのアカウントを利用して会員制サイトにログインできる機能を搭載するケースが増えたため、会員制サイトを利用するユーザー側の負担がかなり軽減されているのです。ここでは、ログイン機能の必要性やメリットについて詳しく解説します。

本人確認のための情報を保護する

会員サイトには氏名や住所、電話番号やクレジットカードの番号など多くの個人情報が登録されています。たとえば氏名と電話番号だけでログインできてしまう場合は、情報漏えいやなりすましによる不正利用のリスクが高まります。

悪意のある第三者からの侵入を防ぐために、ログイン機能にはID・パスワードの設定が必須となっており、これらを設定することで登録した個人情報を守れるのです。

登録した情報から表示内容をパーソナライズできる

ログイン機能の実装は、個人情報を保護するだけでなくサービス提供側にもメリットがあります。ユーザーの登録情報から性別や年齢を知り、どの年代の人がどのようなサービスを利用しているかを分析できます。その結果、よりユーザーに合ったコンテンツをパーソナライズして提供できるようになるのです。分析した情報はサービス改善やコンテンツ内容の見直しにも役立つため、ユーザーの満足度向上にも繋がります。

ソーシャルログインならユーザー側の手間を省ける

従来はWebサービスごとに会員登録をしなければならないものが多く、どのIDやパスワードがどのサービスのものであったかを忘れてしまう事例が多く発生していました。ソーシャルログインは普段使っているSNSの情報をそのままログイン情報として登録できるため、面倒な会員登録手続きを省けるほか、ID・パスワードを覚えておく必要もなくなるのです。

ログイン機能のデメリットとは

ログイン機能のデメリットとは

個人情報を保護したりマーケティング材料として活用したりするなど、ログイン機能を実装することで、会員制サイトを利用するユーザーにもサービスを運営する企業にもさまざまなメリットがあります。一見便利なログイン機能ですが、パスワード流出によって個人情報漏えいにつながったり、ユーザーの投稿履歴が意図せず企業側に収集されている可能性があったりするなど、デメリットについても理解しておかなければなりません。

パスワード流出の危険性がある

ログイン機能は個人情報保護に役立ちますが、IDやパスワードは利用者本人だけが知っていることと、推測されにくい内容であることが会員制サイトを安全に利用できる大前提です。パスワード流出の危険性は日常的に潜んでおり、忘れないように付箋やメモに書いて貼っておいたりパスワード入力画面でIDやパスワードを盗み見されたりすることで、本人が気づかないうちにいつの間にか情報が流出してしまうケースがあるのです。

近年は個人のPCやスマホのメモ機能に保存している人もいますが、これも100%安全とはいえません。PCやスマホを持ち歩く場合は盗難・紛失による漏洩リスクがありますし、カフェなどの公衆Wi-Fiを利用する場合はこのWi-Fiを悪用して情報を抜き取られることもあります。サービスを運営する企業側がセキュリティ面に注意を払っていても、ユーザーの不注意によって情報漏えいが発生することがあるのです。

ユーザーが望まない情報が収集されることがある

ソーシャルログインを利用して会員登録をすることで、ログインのために連携しているSNS上での名前やメールアドレスなどを収集されることがあります。Webサービスによってはユーザーが投稿した写真やログイン履歴などの情報も収集される可能性があり、ユーザーが望まない情報を企業側に提供しているケースがあるのです。

サイトによっては連携したアカウントのタイムライン上にログイン履歴が記載されてしまったり、ユーザーが周りに知られたくない情報がいつの間にか発信されてしまうこともあります。

ログイン機能を実装する手順と方法

ログイン機能を実装する手順と方法

ログイン機能実装には、ログインページだけでなく会員登録ページも準備しなければなりません。会員登録ページではID・パスワードの設定や基本情報の入力フォームを作成しなければならず、提供するサービスによって登録内容が変わります。ここでは、ログイン機能を実装する手順について解説します。

まずは必要機能を洗い出す

自社サービスをユーザーに利用してもらうにあたり、登録するユーザー情報にはどのような内容が必要なのかを洗い出します。

たとえばECサイトであれば、IDやパスワードの他に本名や住所、メールアドレスなどの個人情報が必要です。オンラインサロンであれば、ネット上での決済を可能にするためにクレジットカードを登録したり、本人かどうか確認するために電話番号を登録してもらったりしなければなりません。どのようなサービスを提供し、どのような情報を登録してもらうべきかを明確にすることで、ログイン機能を実装する際に必要な項目が見えてきます。

ログイン機能を実装する

必要な機能を洗い出したらログイン機能を実装しますが、ログイン機能を自力で実装するにはプログラミング言語の知識が必要です。国内で実装されているログイン機能の多くは初心者でも習得しやすいプログラミング言語が使用されており、書籍や参考サイトが多いため自力で実装することも可能です。プログラミング言語の知識がなく、今すぐ実装したい方にはWordPressのプラグインを利用する方法もあります。

PHP

PHPは初心者にも習得しやすいプログラミング言語であり、ログイン機能の実装が可能です。Webサイト関連アプリはPHPで作られていることが多いため、ネット上に見本が豊富で書籍やブログが数多く存在します。レンタルサーバーにはPHPが利用できるものが多いため、作成したらすぐに公開できるのも魅力です。

Ruby

Rubyは日本で開発された純国産プログラミング言語です。日本語での情報収集がしやすいことから習得しやすい言語として人気が高く、ビジネスSNSなどの国内大手WebサービスはRubyで開発されていることが多いです。Rubyには開発時の骨組みとなるRuby on Railsというフレームワークがあり、ユーザー登録やログイン機能が比較的容易に作成可能なだけでなくソーシャルログイン実装にも対応しています。

WordPress

WordPressはサーバーとドメインを用意すれば無料でサイト制作が可能です。WordPressではさまざまなプラグインが開発されており、プラグインを利用することで初心者でも比較的容易にログイン機能の実装ができます。ただし、細かいカスタマイズを実現させるにはプログラミングの知識が必要となります。

セキュリティ強化のために必要なこととは

セキュリティ強化のために必要なこととは

ログイン機能を実装するにあたり、サービス提供側はセキュリティ対策を行わなければなりません。悪意のあるユーザー情報による攻撃は進化を続けているため、常に最新のセキュリティ機能を搭載する必要があります。より強固なセキュリティを築くためには、パスワードやWebページを暗号化したり複数の認証方法を導入したりするほか、パスワードの定期的な変更などユーザーにも協力してもらう手法を取ることが多いです。

パスワードの暗号化

パスワードをそのまま保存しておくのは非常に危険なため、一定のルールに基づいて別の値に書き換える「ハッシュ化」を行っていました。ところが近年では暗号化・ハッシュ化されたパスワードでも割り出されてしまう事例が多く発生しています。

これを防ぐためにはより高度なパスワードの暗号化が必要となり、ユーザーごとに任意文字列を与えてハッシュ化する「SALT」処理を行ったり、ハッシュ値の計算を何万回も繰り返す「ストレッチング処理」を行ったりする必要があります。

パスワードを定期的に変更させる

パスワード設定の際には、文字列を複雑にするためにさまざまな制約が設けられていることが多いです。たとえば「8文字から12文字」という文字数の指定や、「大文字と小文字、数字をすべて含める」といった指定があります。ところがせっかく複雑な文字列で設定しても、長時間同じパスワードのままでは特定されるリスクが高くなってしまいます。

パスワードは定期的に変更するのが理想ですが、設定し直すたびに新しいパスワードを覚えておかなければなりません。このような理由からユーザーが自主的にパスワードを変更する可能性は低いため、数カ月ごとに強制的にパスワードを変更させるようなシステムを導入するとよいでしょう。

2要素認証を利用する

2要素認証は2段階認証とも呼ばれるもので、パスワードとは別に認証コードを利用して本人確認を行うことでユーザーを識別する方法です。2要素認証でよく使われる方法には、登録した電話番号にSMSを送ったり音声でユーザーに伝えたりする方法があり、パスワードだけでログインするよりもさらに強固なセキュリティを構築できます。

近年はワンタイムパスワードと呼ばれる、時間が経過するごとにパスワード内容が変化するシステムを導入する事例が増加しています。WordPressでも2要素認証に対応したプラグインが開発されていますので、セキュリティ強化のために活用しましょう。

SessionやCookieはHTTPS経由で利用する

会員ページにログインするときには、ユーザー情報を識別するためにSessionやCookieが使われます。ところが、会員ページが暗号化されていないとSessionやCookieの情報が通信経路上で漏えいしてしまうリスクが高まり、第三者による不正アクセスを招いてしまうことがあります。

WebページのURLにはHTTPとHTTPSがあり、HTTPS経由ではSSLによって通信内容が暗号化されているため比較的安全に通信できます。SSLは「SSLサーバ証明書」をインストールすることで導入が可能ですので、情報漏えいを防ぐためにも必ず暗号化を行いましょう。

ソーシャルログインを導入する

ログイン機能を実装する際にセキュリティ面で不安がある場合は、TwitterやFacebookなどのアカウント情報を利用したソーシャルログインを導入するのもおすすめです。ソーシャルログインを利用することで、パスワードなどの重要な情報を自社サーバーに残すことなくサービスの運用ができます。GoogleやTwitterは2段階認証に対応しているため、より強固なセキュリティを築くことが可能です。

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まとめ

ログイン機能とは、会員制サイトなどのWebサービスやアプリを利用するときに本人確認を行う機能です。近年はSNSのアカウント情報を利用して会員登録を行うソーシャルログインを導入するケースが増えており、会員登録時のユーザー側の手間を軽減できるだけでなくセキュリティ面でも高い効果が期待できます。ログイン機能は会員登録時に入力する個人情報を保護する目的で実装されることが多いですが、ユーザーの性別や年代などを収集してマーケティング材料にできるため、サービス提供側にも大きなメリットがある機能だといえます。